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社会で必要な処世術が身に付つ野球は素晴らしいスポーツ

野球はすばらしいスポーツ!

先日、ある企業の採用担当者と話しをする機会がありました。私が野球に携わる仕事をしていることを知った担当者は、開口一番「野球はいいですよね。スポーツの中でも特に野球はいいと思います。野球を続けてきた学生は、まず採用して間違いがありませんから」と言われました。

お世辞が含まれていたかもしれませんが、大変嬉しい言葉でした。その時は、ただ野球を通して礼儀正しくなり、先輩を敬い上下関係に厳しいことなどが評価されたのかなと思いましたが、実はもっと深いところで評価され、好印象を与えていることがわかりました。

スポーツの中でも特に野球はいいと思います。

知人の経営コンサルタントが「就活に負けない子どもの育て方」というテーマで、就活(就職活動)を経験した社会人に対し、「内定を3つ以上獲得した」100人と「内定が0個だった」100人に、それぞれアンケート調査を行いました。その結果、就活で3つ以上内定を取ることができた多くの人は、子どもの頃に野球やサッカーをしていたことが明らかになりました。

では、なぜ野球やサッカーをしている子どもたちは、企業が欲しがるような魅力ある大人に成長するのでしょうか?そこでもうひとつ、このアンケートの対象になった人たちに「競争は好きですか?」と尋ねたところ、内定を3つ以上獲得した人は「好き」と答えた人が多く、逆に「嫌い」と答えた人は、内定0個の人のほうが圧倒的に多かったのです。

このアンケート結果から、野球は競争心を養い人生における“勝ち癖”をつけさせてくれる絶好の場だと考えることができます。“勝ち癖”があるからこそさらに高いレベルに目標を設定し、その目標に向かって努力し、何事にもあきらめず取り組める人間になるのです。

また、勝つために何をすればいいのかを考え、チームでどのように戦っていくのかを小さい頃から考える訓練は、必ず社会人になって役立つ経験です。そしてレギュラーを勝ち取れるかどうかの競争にさらされていることが、将来にとって大変貴重な経験なのです。

野球は極端な話、先輩や監督に好かれなくてはいけませんし、チームワークや連携をしっかり取らなければできないスポーツです。そうなると、”人に好かれるための瞬発力”というのは、どのスポーツよりも身に付きやすく、そこで鍛錬された能力が将来の面接や営業の現場で役に立つ、”人に一瞬で好かれるテクニック”に繋がっていきます。さらにレギュラー争い、つまり競争社会で挫折を覚えて負けることを知り、その悔しさをバネに這い上がる人間としての強さは、座学の講義や人に教えられて身に付くものではありません。野球という厳しいスポーツの現場は、“大人になるための技術習得の場”でもあるのです。

こんな話もあります。元メジャーリーガーの野茂英雄投手が開いた大リーグへの道に、毎年日本人メジャーリーガーが誕生していますが、ある項目でどの選手も高い評価を受けてことがあります。それは、キャッチボールからストレッチ、走塁、守備でのグラブの出し方や足の運びなど基本となる動きがグンを抜いていることです。そして、ボールの滑りやマウンドの硬さなどを克服する適応能力が大変高いということです。いずれも子どもの頃から野球の基礎を叩き込まれ、厳しい競争を勝ち抜くために臨機応変な対抗をしてきた賜物です。野球を続けてきたことで“勝ち癖”が付き、成功につながっているのです。

野球のプレーヤーである以上、プロ野球選手やメジャーリーガーを目指すことは自然の流れですが、万一その夢が叶わなくとも、野球を通じて社会で必要な処世術が身に付き、将来さまざまな分野で活躍することができるすばらしいスポーツ、それが野球なのです。

代表取締役  安田 厚