冬休み宮崎硬式野球合宿2009|2日目

合宿2日目が無事終了しました。今日は初めての1日練習ということで選手からは疲れた表情が目立ちました。しかし誰1人文句を言わずに少しも上手くなるんだ!甲子園に行くんだ!という気持ちが伝わってきてとても充実感のある1日でした。

1日の始まりは朝7時の散歩からです。昨晩は興奮のあまり夜更かしをしていた選手も何人かいたようで眠い表情のまま散歩に向かいました。しかしいくら宮崎であってもこの時期の朝晩はかなり冷え込みます。しかし外へ出るなり、あまりの寒さで選手はすぐに目を覚ましたようでした。宿舎裏の海辺まで歩いた後そこで朝の体操も行いました。体力の源である食事をたくさん食べて、いよいよ練習のスタートです!

2日目の今日は投手陣と野手陣に分かれて練習を行いました。投手はまずキャッチボールで肩を温めた後、ピッチングの基本とも言える「体重移動」と「ステップ」について細かく学びました。体重移動とステップがしっかり連動しないと速い球も投げれなければ、ストライクも入りません。投球フォームに入り片足(軸足)で立った際に自分の体重を一度乗せ力をためます。そして振り上げた足のお尻から前に出していくことで体重移動がスムーズに出来て自分の持ってる力を素直に指先に伝えることができるのです。またステップは打者に対して真っ直ぐ出す事。踏み出した足がクロスしたり開いてしまうとコントロールが乱れてしまいます。この2つのポイントを踏まえて実際ブルペンで投げ込みもしました。1人あたり約50球ほど投げ中学生は変化球も学びました。普段軟球を使用している選手は球の質も重さも違うため球が抜けたり、うまく回転が伝わらなかったりしましたがすぐにコツをつかみ手ごたえのあるボールが投げ込めたようです。

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いくら硬球慣れしていても選手の年齢層は今成長期の真っ最中であり、肩肘の怪我は非常に怖いもの。投手の生命線でもある肩甲骨周りの強化と柔軟性を養う下半身のトレーニングもしっかりと行いました。複雑な動きを交えたトレーニングで始めて使う筋肉を動かし最後の方は足が震え始めていました。また更に下半身にムチを打つべくアメリカンノックで汗を流しました。捕るか捕れないかの絶妙のノックに追いつくべく選手は全力疾走。走る事と捕る事を同時に行うことでただ100Mを走るよりも倍の疲労感があります。そして最後は宿舎までランニング!ピッチャーというのはいかに下半身が強くなければならないと痛いほど分かった1日になった事でしょう。

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練習量の多さでは野手陣も負けてはいません。守備練習では捕球と送球を徹底的に教わりました。昨日屋鋪コーチから学んだ事の応用で、ボールを捕ってから送球に移るまでの足の運び方です。グローブはしっかり地面に立てて前に押し出してボールを捕る事です。グローブが倒れていたりボールをすくい上げてしまうと、弾きやすくなってしまいます。しっかり捕球した後の次は送球です。ランナーをアウトにするためには少しでも早くボールを握り投げることですが、そのためには足のステップが非常に大事なキーとなってきます。そのためにはゴロを捕る際に出した足とは逆の足を1歩目のステップでできるだけ前に出す事でスムーズな体重移動が可能になります。また踏み出した足の内側がしっかりと相手に向いている事で悪送球が減ります。これは投手陣が教わった2つのポイントである「体重移動」と「ステップ」と同じであり、どのポジションであっても野球の基本の動きというのは変わらないのです。最後は基礎練習のおさらいとしてシートノックで汗を流しました。イレギュラーバウンドに対しても教わった事通り対応し、選手は技術アップを実感したと思います。

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打撃練習は屋鋪コーチが専属になり徹底指導。置きティーでフォームを固めた後、フリーバッティングでその成果を試しました。屋鋪コーチは時折力のないスイングや集中力を切らし投げやりな見逃し方を見ては喝も飛ばし選手を活気づけていました。置きティーは止まったボールを正しいポイントでミートする練習ですが、少しでも実践に近い感覚を持たせるため打者にはピッチャーのボールが目の前から向かってくるようにイメージさせました。頭の中でピッチャーが足を上げると同時にテイクバックをさせ、球筋を描きボールを強く叩く。この作業を行うことでより効率的な練習が行え、フリーバッティングへ生かされます。

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フリーバッティングは2か所に分かれて右ピッチャーと左ピッチャーに対して打ちこみをしました。ティー練習の時しっかりイメージをして振り込んでいた選手は力強いライナー制の打球が目立ちましたが、イメージをせずにただただ止まったボールを遠くに飛ばそうと振っていた選手はポップフライが当たったり、振り遅れたりする傾向がみられました。誰でもホームランをかっ飛ばしたいものですが、屋鋪コーチは自分の長所を生かすためなるべく強く低い打球を飛ばすようにシャープなスイングを心掛けるように指導しました。大ぶりするのではなく打つ瞬間のみ力を加えることでバットが最短距離で出てきて伸びのある打球が生まれます。長時間にわたる打撃練習でかなりのスイング数を振り込みましたが、これで疲れたとは言ってられません。明日からはもっと厳しい練習が待っています!!

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たくさんご飯を食べた後は、屋鋪コーチによる野球教育がありました。まず選手全員にグローブを持参させ1人1人のグローブをコーチがチェック。何も言わずにグローブを振り分け、屋敷コーチの手元に残ったのは4つのグローブ。この残されたグローブからは愛着が感じられなかったようです。油っ気を失い皮が死んでいる、そんな状態では捕れるボールも捕れません。グローブというのは野球選手にとって命のようなものなので、恋人のように愛着心を持って体の一部になるくらいまで手入れをしなければなりません。ちなみに今屋鋪コーチが使われているグローブはジャイアンツ時代から使用しているもので、使用期間実に15年!合宿参加している最高学年の歳と同じというから驚き。道具を大事にしないと野球も上手くならないという屋鋪コーチからのメッセージがしっかり選手の心には届いたようでした。

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